++2004/10/28(木)  ふらりふらふら離脱気味
 こういう時って客観的になれないのですこしでもヒトサマに読まれる場所には物を書かないほうがいいと思うんだよね。
 だったら書くな! こまっちんぐ。
 私っていう人間は、不安定になると考えをいっぺん腹にしまうということができなくなる。思いついたことをつぎからつぎへと全部吐き出してしまうというか。それでいいんだけど、吐き出したものを人に見せようとするからタチが悪い。まあ女だからしょうがないんだけど。もう、いまなら「コノヤロー」といわれると「なによあんたこそコノヤロー」て即答で拳ふりあげる感じ? これじゃあ喧嘩になっても勝てないよ。旦那に愛人ができたらむだな喧嘩をふっかけてしまうよ。いや、喧嘩も愛人も旦那もありませんしおりませんけども。
 ……。
 ほらあ、ここまで書くのに言葉をえらびつ30分もかかってるなんて、もう時間のむだもいいところだよ。自分に対してもタチが悪い。
 この原因はひとつ! 生理が遅れているぞ・ザ・1ヵ月。
 栄養不足かなあ、実は先月は3週間おきに2回もあった。おかげでいまつきあっている男に「そんなにおれをさけたいのか」と打ち切られそうになった。問題はそこではないけどね。私は相手さえ血に抵抗がなければ生理中でもOKする女なんだ。ふつうはね。ごめんね。なんでかな。んー、なんかまたよけいなこと書きそうな気配がただよってきたので、今日はここでやめる。だったら書くな!



++2004/10/25(月)  私の巨大テーマパーク構想
 大人の万引きが増えている。万引き検挙数の6割以上は成人だ。きのうも38歳の名古屋市職員が4万円のジャンパーを万引きして、追いかけてきた25歳の店員を車ではね飛ばしたらしい。ルン決定。4万円のジャンパーでも冬の雨をしのぐにはつらいだろう。
 たしかに人間、ふっと「魔がさす」ときがある。しかし「魔」というのはふつう、他人を困らせるためではなく自分をおとしいれるためにやってくるものである。それがわかっているやつは、ここぞという悪事しかはたらかないので一級の悪人になっていくし、わからないやつは「なんであの時正常な判断ができなかったんでしょう」といいながら自分の背中に「ザコ」というレッテルが貼られるのをだまって受け入れるしかない……私の背中にもザコラベルがぺたぺたぺたり。だから周りの男もザコばっかなんだね。
 というわけでだ。きょうはひとつこれらのザコ世相をかんがみて、大人のもつ「魔」を経済活動にシフトしていくというなかなかに建設的な巨大テーマパーク構想を打ち立ててみた。
 題して『東京 DEATHニーランド』。かー、つまらん。が、私の考えた仮想小悪党アトラクションの数々は、内容が緻密かつ安全であればあるほど感性のゆがんだ大人たちに支持されると思われる。さあ、どうだろ。
 
……「マンビキエンスストア」定員1名、所要時間5分
 大手コンビニが再現され、男女2人のアルバイト店員によって通常どおり営業されている。客として来店した利用者には所要時間5分のうち、男性店員がいなくなる瞬間(15秒)、女性店員がいなくなる瞬間(15秒)、ふたりともいなくなる瞬間(15秒)が与えられる。姿が見えない店員の様子は特設モニターで知ることができるが、彼らは防犯カメラの映像をかなり注意深く観察しながら働いているようだ。場合によっては彼らが控え室で口論しながらあわやセックス? という見逃せない場面に遭遇してしまうこともある。さあ、できるだけ高額の万引きをして見つからないように脱出しよう!
 
……「ニコニコレジスターパーク」定員3名、所要時間5分
 ファーストフード店が再現され、利用者は店員としてカウンター内に立ち、20万円相当のつり銭が入ったレジを1人で任される。背後には通常どおりに働く笑顔の店員が3名、気の良さそうな店長が1名。全員が気さくに「わからないことはないかい?」と話しかけ、新人店員としての利用者を気づかう。制限時間内に各店員・店長がそれぞれの仕事に集中して静かになる瞬間が3回。チャンスを逃せば逃すほどみんなは優しくなるぞ。さあ、この働きやすい環境でキミは平然とつり銭を盗みとれるか!?
 
……「MUSIC K−D」定員2名、所要時間5分
 50名のダミー客で混み合うCD店が再現され、お互いに顔を知らない利用者はあらかじめ「K(万引きGメン)」「D(万引き犯)」のどちらかを選んで客として入店する。KはだれがDなのか目星をつける。Dは誰にもにらまれないよう、3分間以内に総額1万円以上の商品を持って店から脱出しなければならない。しかし、Dが出口を通った瞬間に防犯ブザーが鳴る。KはDを追い、DはKから逃げる。さあ、追いつけるか! 逃げきれるか!
 
……「チキチキデスレース」定員1名、所要時間1分
 利用者は5千円相当を万引きして車の運転席まで逃げ込む。「待てえ!」の合図とともにアクセルをふみ、レース開始。すると、突然目のまえに両手を広げて制止しようとするエプロン姿の若い男性が現れる。この男性は本物さながらの3Dホログラム。直前でブレーキを踏むこともできるが、男性が無事なら利用者には強烈なビンタが食らわされる。また、ひいてしまえば実際に衝撃がおこり、骨がくだける音、血肉が飛び散る様子が再現されるようになっている。5千円の商品と引き換えにキミの判断が問われる!
 
 いずれも万引き犯として捕まってしまった場合は、利用者の背中に「ザコ」シールが貼りつけられる。このシールが10枚たまると景品と交換できる。数々のアトラクションを楽しんで一度も捕まらなかった場合はそのまま園内から出ることができるが、その際に出口で盗んだ品物を返さなければ、背中にペンキで「ザコ」と書かれ、極秘裏に本物のGメンによってしょっぴかれる。
 どうだろう。ほかにも「ワールド・デス・バザール」と称して、タイ製の罪人樹脂漬けや世界の死刑施設展示、処刑直前の命乞い映像などを流すアーケードをつくり、魔がさすとどれだけ身を滅ぼすのかを知らしめるのもよいと思う。
 これから大人になっていくやつには「なつかしさ」なんかを商売にしてもムダっちゅうもんだ。ふりかえるほどマシな文化がないんだもの。やっぱこれからは「刺激」と「反省」を売りつけて、自分だけは善人だもん! と思わせたらバカスカ銭を落とすようになるんでないの。なんてね。



++2004/10/22(金)  一場とレタスとお金の理論
 なんか一場投手って人かわいそうだ。野球バカな若い男の子がさあ、自分の将来をかけなきゃいけない大人にお金渡されてそうそうまっとうな判断できるわきゃねーじゃん。しかもあんなハシタガネでさ〜。んなことで渡した側の大人だけ辞任して責任とれるなんて仕組みはひどいよ。匿名の投書があったかなんか知らんけど、内々でもみ消してやれっつーのな。これから伸びる才能があるって人が勝手に台風の目にされてよお、挙句の果てにふりまわされてキズものにされちゃって、チョーかわいそうだよ。
 つうわけで夕飯の買い物に行ったら、レタスが高くてびっくりした。だって1玉689円。閉店直前になれば5つで200円なんつう叩き売りをしてくれる市場でよ。おお、台風……他の葉ものもちょっとずつ高かったので、マイタケと豆腐とキムチと豚肉でチゲ鍋にした。お、うまい。しかもこれなら明日の晩まで鍋がもつだろう。ラッキー♪
 
「そこの貧乏人よ、よくお聞きなさい。お金ってもんはねえ「ある」か「ない」か、そのどちらかでしかないものなの。小銭がいくらだの通帳の数字が何桁だのって数字で数えられる範囲なんてのは、貧乏人の理屈。それじゃあお金があっても「お金がある」とはいわないわよ!」
 
 これはきのうのペンギンプルペイルパイルズの芝居で大地主の女がいったセリフ。この脚本を書いた倉持裕って男の人は、よほどお金持ちにかわいがられた小悪魔的な歴史があるんだろうかとか思ってしまったけど、そのとおりだよ、お金持ちの人たちの理論っていうのは。
 たしかに、私みたいにセコセコ財布のなかを確認してる程度の女のもとには大金なんてやってこない。やってきたって使い方がわからないから意味がない。正しく大金を使いこなす人はそれを知っているし、さらに「人は自分のキャパからはずれた量のお金には絶対的な権力を感じる」ということも知っている。だからその権力のもとにお金があつまる。ような気がする。
 むかし、SM客でチョーきもい男とあたったことがあった。自分がきもいことを知ってるのかどうかはわからないが、少なくともその男は2〜3万のチップを渡せばSM嬢程度の女は自分をきちんと客として応対するもんだということを知っていた。
 腹のなかでどれだけ「チョーきもい」と思っていても、そこに権力が発生する限りはむだに反逆するのは賢明ではない、という理屈はとおってしまうものだ。プライドなんかむりやり否定して「いまは金に目をくらませる」と決断した女ばかりが働いてる場所。否定指数が高かれ低かれサービスを売るというのはそういうもんだし、否定したからには金を権力としてあつかえるやつとは仲良くしとく、というのが悔しいけれど弱虫のなかの一番強い部分だった。
 ああ、くっそお! 今度はできるだけ高いサービスを買う側になりたい。つまりは「自分の通帳なんか見たことありませんことよ」なんつうイヤ〜なやつになってやりたい。レタスも値段見ずにバカスカ買いたい。むしろ店ごとチゲ鍋にしたい。意味がわからない。



++2004/10/21(木)  猫とペンギン
 よう、おれはナポリだ。「新宿の爪」って名でも知られているが、若い頃ほどヤンチャはしてねえ。女・子供にはいっさい爪出ししねえ主義だから、安心しな。
 おれがこの女の家にころがりこんで1年と半年、毎日狂ったように机にむかってカチカチとキーボードを押す背中には正直恐怖をおぼえることもあるが、それでもおれが「飯」といえばだまって準備するつつましやかな姿勢には感謝している。これからもこの家の用心棒として、おれなりの仁義立てをしていくつもりだ。
 しかし、おれにはひとつだけ気に食わないことがある。この女の言葉づかいだ。おれを「ナポたん」と呼ぶのはやめてほしい。まあ「ナポ」というのはほかでもないおれの名だ、愛称として家庭内で呼ぶ分には許してやるが、「たん」はねえだろう、あきらかに何かが寸足らずのやつにむかって使う侮蔑語だ。客のまえで呼ばれてみろ、この女はおれの渡世をはばもうとしているとしか思えねえ。それどころかたまに「ポーたん」「ポコたん」とまったくちがう名で呼びやがる。ひどい時には「ポコちん」だ。決まって笑顔でおれの玉袋をつまみながら呼ぶってところが、男ってもんをばかにしているようで腹立たしい。
 一度だけ腕を思いっきり引っかいてやったことがあったが、逆に岩井志麻子の文庫本を投げつけられておれは危うく命を落としそうになった。まあ、おれの瞬発力があればなにが飛んできても避けることはできるのだが、毛を逆立てて次の攻撃をねらうおれよりも投げた本が破れていないかを心配したこの敵もさるものだ。
 だれかこいつにいってやってくれ。男の才能ってのは女が見抜いてはじめて王国を築けるもんに成長すんだってことをな。金もねえのにいつまでも男を子供あつかいしてたんじゃ、幸せは逃げていっちまうぜ。よろしくたのむ。
 
 というのは上のちょっと怖い瞬間のナポリ君を見ていたら「新宿の爪」というちょ〜ダサダサのネーミングを思いついたのでただそれを言いたかっただけ、やはり右の写真はどう見ても「ナポたん」なのであった。
 午前・午後と仕事して夜から三鷹へ。ペンギンプルペイルパイルズの「246番地の雰囲気」を観る。貧乏探偵が巻き込まれる奇妙奇怪な秘密の街で起こった事件。サケロックの生演奏つきで雰囲気もよく、こりゃずいぶん得してるな〜とおもいながらボケーッと観ていたら途中で重大な推理を聞きとり忘れ、結末の意味がぜんぜん不明になってしまった。損した〜。
 終わった瞬間に近くの席に座っていた女の人が「なんかMOPみたい。マキノノゾミみたい」と一言。恐らくその人はこのあいだ新宿でやっていた劇団MOPの「虚飾の町に別れのキスを」という舞台と似てるといったんだろう。たしかに主人公の性格と衣装は似ていたが、こういう作品の吐き捨てかたをする人は「でもテーマが全然ちがうじゃん。オレはこの舞台好きだなあ」なんて好きな男や尊敬する人間がいうのを聞いたら「まあねえ……」とかいいながらコロッと考えを変えてしまうような、自分にだって見る目はあるもんということをただ誇示したいだけのタイプなんだろう、なんて思ったりした。
 帰り、はじめて都内で路線バスに乗った。田舎の後払い制のバスしか経験ないから乗るときドキドキしたさ。両替機だと思って500円玉入れたら出てきた小銭が足りなくて「ん?」と数えていたら「それお釣ですよ。代金はいただきましたよ」と運転手にいわれた。すまん、うしろで待ってた人。



++2004/10/20(水)  タモリの恩恵
 きょうの「いいとも」でタモリが高橋由美子あいてに
「マスクフェチってのがあってねえ、そういう専門のサイトがあるんだよ。どこどこの歯科助手の○○さんの写真、とかねえ。あれいいねえ」
 というはなしをしてた。昼間からこのオヤジ……とおもっていたら、午後から「マスクフェチ」で検索してちんぴんファイルの目次にやってきた人がものスゲーいっぱいいた。あのはなしを書いておけば、きょうはすこしでもヒトサマのお役に立てる日になったんだろうか。
 ただひたすらいろんなマスクをかけさせて「もぐもぐ」といわせる男。花粉症の季節になると街にマスク女性があふれるので勃起して外出できない男。おもしろい性癖だなあとおもったけど、私には理解できなかったし理解しようとしても興味本位以上にはならなかった。愛せないことはネタにできない。だって「意味わかんねえ! ばかな男だよな〜」っていうにも、私だってばかなんだから愛してなくちゃ言葉に責任とれなくなるもの。なんつうことを考えさせられたりした男のはなしなのであった。
 にしても、タモリの影響力もさることながら、みんなやっぱりマニアックなことばっかり気になるんだなあ。間口の広い人は「風船フェチ(バルーンフェチ)」とかどうだい。女の子のからだに押しつぶされていく風船に性的興奮をおぼえるというやつ。とにかくいろんな女の子が風船に抱きついたり座ったり割ったりつぶしたりするイメージ映像を収録したフェチビデオがあって、それがやたら売れてるのだそうだ。いろんなものに人間の癒しをもとめる感覚はむかっていくんだなあっておもったりするよ。



++2004/10/18(月)  ビバ! サザエさん
 朝8時起床、洗濯して「とくダネ」見て、やっぱフジの若い男性アナは空回りしすぎだとおもいながらスーパーで買い物。カレーの準備と明日の朝食、飲み物をかかえて帰りの自販機でタバコを2箱。きょうは絶対このままこもって仕事しまくるぞお、という意気込みで。
 しかし午後になってつくりはじめたカレーの最終段階で、なんとルーを買っていないという重大な事実が発覚。財布を片手につま先でツッカケをほじくる自分のサザエさん状況にガックリきた。一番近くにあるボロボロのスーパーへ駆け込んでルーをさがしていたら、大きなじゃがいもが6つで89円。がああああ!! 朝買ったやつよりぜんぜん安いじゃねえのおお!! サザエさんにすらなれていない私にガッッックリなのであった。
 
 機嫌のわるかったらしい母親から電話。
「あんたはいつまで東京にいるつもり? そろそろ泣きながら田舎へもどってくるころなんとちゃう?」
 ちぇーっ。まあ私のいまの仕事なんてどれだけうまく説明しても母親に通じませんよ。定収入のない業種のくせに「ここに行けば私のこの仕事が見られるぞ」というものもない。む、いや。ないこたぁない。ネットの海には私が担当した文章やらなにやらが漂っているし、書店にいけば“ッチョ〜”はずかしいムック本も何冊か置いてあるつうか「背中が変色したまま放置」されている……のだけど、こういうのは主張すればするほど釈明に追いこまれるものなので
「やかまし。あんたその娘にそこそこブランド物プレゼントされといて、なにゆうてんの?」
 といいかえして電話を切る。
 けれど、母親にこうやってキリキリいわれるのが実は嬉しい。
 なぜなら私は怒られるのは怖いから苦手だが、それ以上にほめられるのが苦手なやつだからだ。私はほめられる人間にしては“自意識”がつよすぎる。たまにはオセオセでなんとかなることもあるが、大部分は調子にのって脱線するだけだ。失敗しまくったあげく、ほめ言葉に対して「慎重」というより「拒絶」という感覚がつよくなってしまった。もともと鎖国派だからしょうがないけど。
 小さいころから「よい子ちゃん」を演じることをよしとするズルイやつで、高校生あたりからは男にたよって男の脳みそで生きることを覚えた。アマアマな女の子だった。あまり“自我”というやつと向き合ってみようとおもったこともなかった。
 “自我”っていうのはたとえそれが自分のなかにきちんと居座っていなくても、つれそう人や目標とする人のなかに存在すればそれを借りて生きることができる。実際に男とつきあうときはそうなっていた。ていうか借り物の自我であると気がついていても、好きになった男を肯定するためには自分を見ないようにして生きるのがラクだとおもっていた。
 それにひきかえ“自意識”ってやつはどの状況にあっても雑草のようにばんばん自然発生し、こらえる意識をうしなったとたんに自分の素地をこわしてしまうものだった。なんてやっかいなんだろう、とおもった。
 自分を見ないようにしているときは、他人のなかにある自我の方向性がよく見えた。だからそのなかで自分の欲しいものをもっているやつと仲良くなろうとしたし、そういうやつがどんな結論を欲しがっているのかも外野であるからこそよくわかって「助言する」なんてこともできた。
 けれど、自分の自我と向き合うようになったら、今度はその作業の大変さに気がついて他人のことまでどうこう考える余裕がなくなってしまった。むいてもむいても次の疑問にぶちあたる。なかなか「これぞ」という確信にたどりつかない。いそがしすぎて、それまでさんざん自我を借りた男が去っていくのを見ても「へえ、じゃあキミはキミでがんばんなさい」としかおもわなくなっている殺伐とした自分がいた。
 いまはそういう自分がおもしろかったりする。
 だけど本当は、
「くぬやろ〜! カムバック、過去のアマアマな私! できれば21歳の!」
 とおもうことが何度もある。だって、そのころの男さえ自分にとっての正解を選んでいたなら、こんなところに「自我がなんたら」とかとつとつと語る必要もなく、いまごろは娘のランドセル選びに右往左往しながら「知らない男の人とカッターナイフには気をつけなさい」なんていってたはずなのだ。
 ああ〜、かなり大きく失敗したなあ……くうう、おかあさん、東京の秋は風がつめたいです。



++2004/10/17(日)  最強マフィアメンツとハングリーバカ
 せっかくトシヨリズムを維持して健康になろうとおもったのに。リラックスのせいで急転直下、ぼけーっと「われめDEポン」(朝5時までつづく麻雀番組)を見てしまう。しっかし、芸能人の麻雀顔ってなんであんなに極悪なんだろう。眉間にしわを寄せて牌をつもる姿はさながら中国マフィアである。ちなみに私の考える最強マフィアメンツは、加藤茶・徳光和夫・坂東英二・加賀まりこだ。
 開始直後から坂東の配牌がよい。上機嫌で勝ちをかさねるのだが、突然終盤で
「カモ? ソレ、ドウユウ意味アルネ!? サテハ裏切ッタカ!」
 と叫びながら加藤のボディガード(浅野忠信)に首をはね飛ばされる。その後は加藤と徳光がはげしい攻防をくりかえすも、事前に金で麻雀卓を買収していた徳光の勝ち。後日、葉巻をくゆらす徳光と乱れ髪の加賀がはだかでベッドに寄り添う姿。そう、加賀は徳光の愛人だったのだ。加賀は騎乗位で徳光を昇天させる。しかし、とつぜん加賀の眼光がするどくなり、まくらの下から取りだした短銃で馬乗りのまま徳光を撃ち殺してしまう。そこへ加藤があらわれ、返り血を浴びた加賀の肩に自分のコートをかける。ラストシーン、旅じたくの加藤と加賀が、海の見える小高い丘でいかりや長介の墓に白い花束をささげているのであった……。
 いやあ、われポンは無限だなあ! 
 
 夕方、ナポリ君が「なあなあ!」と食事の催促をしてきた。
 最近のナポリ君は食い意地がはげしく、好物の缶詰なんかはもみじさんの皿まで横取りしてしまう。もみじさんはそのへん大人なのでとくに反撃しないのだが、見ていてかわいそうだ。
 そこできょうは、おなかをすかせたナポリ君に先にカリカリをたらふく食わせ、落ち着いたころに缶詰を出すという新しい作戦を試みることにした。
 ……ぽりぽりぽりぽり かりぽりかりぽり……
 よしよし。ころあいを見はからって缶詰を2つの皿にわけ、舌なめずりをしてすでに満足そうなナポリ君と、いそいそと待つもみじさんのまえに置く。その瞬間だった。ナポリ君が「えっ!」という顔をして皿に駆けよったかとおもうと
「ごおえっ! ごおええっ! ぐおえええっ!」
 とつぜん先ほど食べたばかりのカリカリを丸ごと吐きだしてしまった。しかも新品のじゅうたんの上に、人間のこぶしほどもある量をこんもりと。おいおいナポリ君、キミ大丈夫か? てかこんなに食ったのか! すると私の心配をよそに、ナポリ君は大急ぎで吐きつくすとさっそく私の置いた皿にむさぼりついた。なんとこいつ、目のまえにあらわれた缶詰のために先に食べたものを吐きだしたのである。なんだそのハングリー精神は! とびっくりしたのはもみじさんだ。あ然としてその様子を見つめること45秒、むなしくも彼女の皿はきょうも奪いとられてしまった。
 1分30秒後、口のまわりにペチャペチャと食べカスをつけたナポリ君は「にゃあおん♪」とうれしそうに尻尾をおったてながら自分の寝床へともどってしまい、私ともみじさんはむなしくも大量のゲロのまえにとり残されたのであった。



++2004/10/16(土)  ヒットラーハガキはもういらない その7・終
 朝6時に起きた。パン食って二度寝した。起きて季節はずれのうなぎを食った。三度寝した。
 それほどまでに前日の「一日リラックス作戦 in ラクーア」で疲れ果てたのであった。こんなひどい話があるか?
 
※ここからは10/14のつづき
 東京の住所に転送で送られてくるハガキは毎回内容がほぼ統一されていた。
「敬愛なる 焼野原殿 なんどかお宅にいきましたがちがう人が住んでいます。どうか不自由なぼくのCDを取り上げないでください」
 たしかに私はCDを再生したし、うっかり引越しの荷物にいれてしまったこともあやまる。しかし、そもそも反応のないポストに勝手に投げ入れておいて「取り上げないでください」はないだろう。
 私は男性のことをよく知らないが、年齢的に考えても、毎日なんどもコーヒーを飲みに来店していたのは彼に連れ添う人間がいないからなのかもしれない。孤独な人間にいつも変わらない笑顔をむける女性店員がいれば、なんらかの気持ちがつのったとしてもおかしくないことだ。私が逆の立場でもそうなることがあるとはおもう。ただ、自分でいっているとおり姿を見せぬまま「なんどかお宅にいきました」という言葉を出すのはあきらかに相手に不安を抱かせる「つきまとい行為」であり、実害がなくともこの場面で「不自由なぼく」と自称するのは、あまりに陰湿であまえた面を押しつける勝手な行動ではないだろうか。「不自由な部分を考慮する」のと「被害妄想の相手をする」のとは問題のレベルがことなる。つめたいといわれてもかまわない。ここでむやみやたらに同情するのはまちがいだと判断した。
 ということを面とむかって徹底的にいってやりたい気持ちをぐっとこらえ、翌週、わたしはたまりにたまったハガキ約60通とCD4点を封筒にいれ、パソコンで男性のあて名を印刷したラベルをはりつけた(面倒ではあったが、なんとなく手書きより印刷の文字にしておいたほうがよいとおもったのである)。そして郵便料金相当分の切手をはり、差出人無記入でポストに投函……しようとしたが、おもうところあって一度持ちかえった。
「あ、もしもし? 山火事ちゃん? わたしわたし、焼野原。元気?」
 山火事ちゃんとは大学で同じゼミだった友達だ。自宅通学生だったので、いまも私が住んでいたマンションのちかくで生活している。引越しまえに一度、男性からのハガキ攻撃について相談したことがあった。そのときの山火事ちゃんは
「でもなんか老人の初恋って感じでいいやん。わたしはこの人好きやけどなあ」
 などとロマンチックに解釈していたのであるが、引越し後もハガキが転送されてくるようになったこと、その文面、新しい住民のもとをなんども訪ねていることなどを手早く話すと、
「なんそれ! むっちゃきもいやん……アタマおかしいんちゃうん、そのおっさん」
 と約2分で鞍がえした。
 私は山火事ちゃんにたのみごとをした。
「その人から送られてきたハガキとCDをまとめて送りかえしたいねんけどお、消印でどこにいるか知られたらきもいやん? 申し訳けないんやけど、山火事ちゃんに中継するからそっちのポストから投函してくれん?」
 山火事ちゃんは山火事騒ぎが大好きだ。ふたつ返事でオーケーしてくれた。
 
 それから4年たつが、男性からのハガキは一度もきていない。もちろん、最初の1年で郵便局の転送期限がきれたこともあるだろう。
 しかし、山火事ちゃんの機動力のおかげもあったとおもっている。なにせ彼女はわざわざ自分の親戚が住む四国まで船でわたり、そこから封筒を投函してくれたのである。そこまでしなくてもと引きとめたが、意気揚々と「隊長! いま投函しましたッ!」と実況してくれた山火事ちゃんにはいまも感謝している。



++2004/10/15(金)  らくあらくあらく
 夜8時に寝て起きたら朝5時。そして血圧が正常値に近づいてからきのうの日記を書くべくここに座っている。やはり……この生活を「トシヨリズム」と名づけよう。なんてつまんないこといってんの? もうさ、起きぬけだから何をいっても座布団もらえるとかん違いしてんの。
 前日のはたらきすぎをチャラにするべく、昼の11時から東京ドームへいく。スパ「ラクーア」。天然温泉がある。露天風呂がある。マッサージがある。エステがある。みんなあそこへいくなら+300円払って「ヒーリングなんたら」を利用したほうがいいよ。天国があるから。そのちっぽけさには目をむけないことにして、ただひたすら「心地よすぎ」と長いものに巻かれておけば、こっちのもんだから。
 あそこのよいところは、何ももたずにふらっと入ってもタオルからウエアからなにからすべて専用のものを貸してもらえるというところだ。入館中は牛乳もジュースも食事もすべて専用のリストバンドに清算されていくので財布を持ち歩く必要もない。その徹底ぶりが何らかの実検施設におもえて少々恐怖を感じるが、ええまあ、「都会派だもの」とかん違いしてみたい私のような女の人におすすめですのよ。難をいえばビルにからみついてひっきりなしに悲鳴をはこぶジェットコースター。振動で低温サウナが揺れる。地震にトラウマのある人はいかないほうがよいレベルである。
 平日の昼間ということもあって館内はすいていた。いやっほ〜う! 温泉で乳と太ももをひとしきりもんでいると、若い女性はだいたい化粧をしたままお湯につかっているという事実を目のあたりにする。東京の女は自意識過剰なのか? だれもこんなところでおまえらの顔なんか見やしねえよ! ばしゃばしゃとお湯をすくって自分の顔を洗ったら、しょっぱかった。温泉表示をみたら「3千年前の海水がなんたら」と書かれていた。
 腰が痛むのでジャグジーにいってみた。噴射口のまえに座ってジャグジーボタンを押した。あまりに強力なジェット噴射にあっさりとおし流された。虚弱にはむかないらしい……その後「ヒーリングなんたら」で2〜3時間昼寝して、マッサージにいった。慣れないマッサージはもみ返しがこわいので40分コースで。あれは意図してやってるなあ、女性客には若い男性マッサージ師が、男性客には若い女性マッサージ師がつくシステムになっているようだ。私の担当もどこぞのヘアサロンで「スタイリスト」と名乗っているような雰囲気の男だった。下手くそだった。
 そのあとすこし低温サウナで寝て、また温泉へ。足湯のまえにテレビがあったのでそこでドラマの再放送をみながらからだを落ち着かせた。
 て、なんでラクーアのことをこうも長々と日記にするかというと、そうこうしているうちに夜7時になってしまったからだ。8時間も館内で過ごしたのである。私は従業員か! 必死に一日をリラックスについやそうとしたあまり、帰宅したころには疲れきってバタンキューなのであった。



++2004/10/14(木)  ヒットラーハガキはもういらない その6
 運わるく仕事がかさなりやがって22時間ぶっつづけでパソコンにむかったのち、夜7時に就寝。起きたら朝の4時。年寄りかい! 私は。にしても焦ってるときってすごいな。眠くなる気配すら感じないんだもの。バシバシバシバシと文字を打ちこむ打ちこむ。気をつけよーっと、過労死ってこういうときポックリやってくんだよね。きょうはマッサージでもいくか。
 で、朝おきたらそういう日にかぎって寝ているあいだにあちこちから電話がかかっていたようす。でもみんな「あの女は起きてるくせに電話にでない」とかん違いしているらしく、メールで用件が送信されまくっていた。便利な世の中だねえ、いなきゃいないで用件だけ放り込んでおけるんだから。しかも、ひとり暮らしほどそういうのにつかまる率が高いの。でも、ひとり暮らしほどどこにいても連絡つくようにしたがっちゃうから当然なの。事務所の電話まで携帯に転送されてくる始末……に、みずからおのずと設定してある始末ですから。家で愛人とくつろいでても事務所ですから。
 
※ここからは10/13のつづき
 東京へ引越した私は新しい生活のいそがしさにおわれ、しばらくのあいだ男性のことは忘れていた。部屋のCDラックには投げ込まれたマライヤとアメリカンポップスのCDが置かれているのだが、よぶんな荷物と一緒に男性のハガキなども処分してしまい、いまとなっては郵送で返送することもできなくなったのだった。
「でも、まあ、いいか。それより東京の新しい生活がたのしみ!」
 しかしそんなある日のことだった。
 いつものように仕事から帰宅しポストのなかをのぞくと、請求書や広告チラシにまじって見覚えのあるハガキが一枚。例の男性からのハガキだった。一瞬、背筋に悪寒がはしってあたりを見まわす。
 ……も、もしかして東京の住所をしらべて、やってきた!?
 しかしあて先面を見ると、これまでではじめて切手をはって郵便物として投函されたものであることがわかった。引越し前の住所にあてて送られたものがこちらの住所へと転送されてきたのだ。消印も以前住んでいた地区のものである。
 私が住んでいた部屋の新しい住人が、男性に忠告したのだろうか。「ひとちがいである」と。
 いずれにせよもし事前に私が引越したことを知っていたとしても、その事実には動じず転送の可能性を考え切手をはったということであれば、この男はかなりしつこい。そして、ひま人だ。
 ……このままではなにか行動をおこされるかも。
 この日、私は万が一のことを考えてハガキを持ちかえりCDの横に置いておいた。引越し先の住所を知らないようではあるがこれだけ追いかけてくるものだ、いざというときにはなんらかの証拠物件として必要になるかもしれない。

 この続きは後日ってオイなげえな。



++2004/10/13(水)  ヒットラーハガキはもういらない その5
※10/11のつづき
 マライヤキャリーの翌日は「アメリカンポップスvol.1」というCDが投げ込まれていた。そえられた手紙には同じく「貸します。返してください」と書いてある。その翌日には「アメリカンポップスvol.2」、3日で3枚セットの全巻がそろった。いずれも歌詞カードをみながらかなり聞き込んだもののようで、汗染みがついているジャケットもあった。マライヤ以外のCDはきちんと再生できた。どうやらあの傷は本人も気がつかない事故でついたもののようだ。
 しかし、このころ私は新しい生活を東京でおくることが決まっており、早々に郵便局へ転居届をだし、引越しのための準備をすすめていた。届けをだせば郵便物は東京の住所へ転送されていく。ポストに投函されるのはポスティング業者のチラシと例の男性からのハガキだけとなり、引越し準備の忙しさも手伝って、私は一週間ほどポストのチェックをしなかった。
「あのCDどうやって返そう」
 頭をよぎることもあったが忙しさで忘れてしまう。そして、男性のCDをついつい自分の持ち物と一緒に引越し荷物として封入してしまった。
 それに気がついたのは不動産業者に鍵を返却し、手荷物をもって最後にマンションをでるときだった。ふと気になって最後のポストチェックをしてみると、そこには十数通の男性からのハガキがあった。
「あっ!しまった……」
 しかし荷物は引越し業者によって搬送されてしまったあとだ。私が移動するための新幹線の時間もせまっている。すべてクズカゴに放り投げ、私は東京へとむかった。

 この続きは後日
 



++2004/10/12(火)  ねるまえねるめえ
 ザッピングしていたらかわいい双子の子猫が映ったのでチャンネルをとめた。アメリカでやっているペットのクローンビジネスの紹介だった。死んだペットの細胞を登録保存しておいて、そこからクローンを作る技術をお金持ちに売っているのだそうだ。「あなたの最愛のペットがよみがえります」みたいなキャッチコピーがついているとおり、見ためはもちろん性格も生前そっくりになるそうで、すでに登録をすませたペットが復活を待たれているんだとか。
 あるご婦人が死んだ猫の墓のまえで
「あの子をよみがえらせてあげたいから登録したの。愛しているからまた生きるチャンスを与えたいの」
 などと熱く語っていた。最低だな。つうかキチガイだ。胸くそわるくなった。金持ちのサド野郎たちめ、いっぺん自分が死んでクローン作られてみたらいいんじゃない、きっと天国で「自分は忘れられたんだな」って悲しくなるよ、すくなくとも私だったらそう感じる。
 愛情って「そのときたしかに目のまえの命を大切に感じた」という記憶の連続なんじゃないかと私はおもう。その連続がとぎれたときに、これまでの記憶をきちんと心にしまっておこうとして涙を流すのがすべてであって、同じ姿かたちのもので満足できるなら、それはその命と向きあってなかったという証拠じゃないのかなあ。
 
 なんて感じで徹夜の頭もパツパツになったので、昼飯にと出前でカツ丼をとった。甘くてジューシーなカツを口にふくむと、なにやら哀愁がただよって無性に自白したくなってきた。なにをだ。
 そういえば以前、素行不良ぎみの知人が
「取り調べ室でお茶をだすのは尿検査にもちこんで別件で抑留するためだから、出されても飲むなよ」
 という私には本気で役に立たないアドバイスをしてくれたことがあった。へえ。じゃあこのあいだの、同居人に2兄弟を橋から投げ落とされといて歯切れわるく自分も逮捕されたお父さん、あれも出されたお茶を飲んだということか。あんなの犯人と同罪じゃんね。ああいうウンコみたいな奴らこそ、クローンの実験台につかったら? 優秀なものばかり残そうとするから処分できなくなって困るんでしょ。て、いっていることがよくわからなくなってきたので、まだずいぶん明るいけど寝る。
 
 どたばたしてホームページの更新がままならないので、「ちんぴんファイル」の更新はおやすみすることにした。あんなバカまるだしのものでも書くとなると案外時間がかかる。なぜなら私の頭は33回転だからさ。



++2004/10/11(月)  ヒットラーハガキはもういらない その4
 ちくしょ〜〜!! 水曜どうでしょう見逃した。ここまで滞りなく録画しておったのに!! あばれまわりたい。床にころがって。
 YUKINARI(DA PUMP)に子供が!!がーん。やっぱアイドル系の顔立ちの男って、子供できると一気に興味なくなるよなあ。ちなみに光GENJIは「あっくん」Kinkiは「剛」と趣味は一環しているが、いずれもほんのすこしでも崩れたとたん興味がなくなる私であった。アイドルなんてそんなもんさ、現状維持が命なんだ。
 はなし変わって「成功者は酒を飲まない、そして俺は飲まない、だから俺は成功者になれる」という言葉を毎日ノートに書きつづけている自己啓発系の知人がいる。ばかもの。どの程度の人間を成功者と定義してるのかしらんが、仮にその言葉が正しいと証明される場合があるとすれば、それは「俺ってば成功者だから忙しくって酒飲むひまもないんだよ」という意味でしょうが。だいたいなあ、遊びを知らんやつが大勢の人間をひっぱる能力を持てるとはおもえん。仕事ではない場所で人をひきつけるものに目の利くやつが、成功者になれる素質をひめてると言えるんでないかい? ということをツンケンと言ってもまったく通じん。そして男はウソっぽい自己啓発セミナーに何百万も吸い取られていくのであった。きっとそのセミナーの主宰者は、あんたの金で酒池肉林のウホホノホ〜♪ だよ。
 
※ここからは10/09のつづき
 ポストのまえでぼう然とマライヤキャリーのCDをひらく。鼻を近づけてみたが、異臭はない。ケースやジャケットも調べたが盗聴器らしきものはみつからなかったので、部屋に持ちかえった。
 かなり聴きこんだものらしく、ジャケットがすこし波打っており、折れ目も白く粉をふいている。日本語訳の歌詞シートを見ると、文字にそってたくさんの爪で引っかいたような痕がついていた。そんなに必死で歌詞を追ったのか。しかも“HERO”という曲にいたっては、歌詞のなかに出てくる「hero」という単語すべてにピンクの蛍光マーカーがほどこされていた。ほかにもいい部分がたくさんあるのに、なぜそこに……!!
 CDをプレイヤーに入れた。もしかしたら再生ボタンを押したとたんに爆発するかもしれない……まあそんなことはないか。実際、聴いてみたい曲も入っている。
 再生。
 でっでっでっでっでっでっ
 ? 再生。
 でっでっでっでっでっでっででででででででででで
 再生。
 ででででででででででででででででででででででででででででででででで
 ……ディスク、壊れとるやないけ!
 ためしに自分のもつCDを入れてたしかめてみるが、やはり壊れているのはマライヤキャリーのCDだった。ディスクの裏を見ると大きく傷が入っている。これではいくらクリーニングしても読み込めない。それにしてもこれは本人が気づかないうちにできた傷なのだろうか。それとも、私に対する嫌がらせなのだろうか?
 
 このつづきは後日



++2004/10/10(日)  ヒットラーハガキはもういらない その3
 ぷり〜んぷりんてぃん、ぷりぷりぷりぷりぷり〜んてぃん♪ 
 今朝、換気扇をつけたらぶっ壊れていた。スイッチをいれるとダクトからものすごい音がする。風通しの悪い部屋なので、たばこの煙を追い出すために起きている時間はほぼ稼動してるんだけど……うるさくて、猫と一緒に耳をふせるありさま。裏山こそ崩れなかったものの、台風の爪あとがこんなところに。
 あーあ、ぜんぜん脈絡ないけどそろそろ妙なペンネーム使うのやめようかしら。だって名前に反応した人はだいたい口をそろえて「辛酸なめ子!?」ってつっこむんだもの。つっこまれ飽きたよ。そもそもうちで辛酸なめ子の漫画を読んだ友達が、腹をかかえて笑いころげながら思いついてくれた名前だからあたりまえなんだけどな。最初に「ヤケノハラは?」と言いだしたのを聞いたときは、私も死ぬかというほど笑った。
  
※ここからは10/07のつづき
「ヒットラー溺愛」の次は「マッカーサー、実は油絵好き情報」……○○市△△×× N.K。
 姿は見えないものの、差出人を書き出してみたところやはり元バイト先の近所であることがわかった。例の男性客の名前は知らないが、いつだったか店内に居合わせた彼の知人がここに書かれている苗字で呼んでいたのを聞いた記憶がある。
 直接おことわりの返事をしたほうがよいのだろうか?
 しかしこれまでの経験から、このテの人にはむやみにこちらから連絡をとってはいけないということがわかっている。「迷惑ですよ」という言葉より「連絡してきた」という事実にばかり目をむけてしまうのがストーカーのストーカーたるゆえんであるからだ(いや、特に危害をくわえられているわけではなし、単に「これがおじさんの趣味」と考えれば済む話でもあるのだが)。しかも私は、手の内の読めない知らない人間に対しては気が弱く、チャリティー精神満載で接してしまう癖があるためうまく伝えられるかどうかすらわからない。
 そうこう考えるうちにも、マッカーサーの次はヒットラー、ヒットラーの次は板垣退助、「どこでコーヒーを売っておられますか」をはさんで再びヒットラー……しかしある日、状況が動いた。
 その日のポストに入っていたのはハガキではなく分厚い封筒だった。なにかかたい物が入っている。
 小型爆弾!? おそるおそるガムテープをはがし、なかをのぞくと……
 それはマライヤキャラリーのCD「The Ones」(ベスト盤)だった。
「敬愛なる 焼野原様 僕の好きな音楽を貸します。聞いたら返してください」
 ……おっさん、意外と趣味がひれぇな! しかも返すのかよ!
 
 このつづきは後日



++2004/10/07(木)  ヒットラーハガキはもういらない その2
 最近ヤフーオークションにはまりだしたという知り合いが、自分の評価欄にならぶ「非常に良い」のコメントを眺めているとめちゃくちゃ嬉しいと言っていた。そんなことでめちゃくちゃ嬉しくなれるなんて、それ、日本の学校教育における弊害ですからッ!
 私もむかし、評価ほしさにものすごくがんばって物を売っていたことがあった。でもある時「あまりにも素晴らしく完璧な梱包に感動して涙がでました」なんつう非常に大げさなコメントが寄せられて、ズザーッと引いた。いくら連絡先を教えあう相手といえど、ネットのむこうの人ってば、こわい。
 
※ここから10/05のつづき
 送り主がわかってからも投函は毎日続いた。あいかわらず姿は見えない。ある時は午前中に一通、夜に一通。そのほとんどは読まずに集合ポストのクズカゴへ放り込んでいたのだが、あまりに続くのでそのうち気味の悪さより、また内容が気になりだした。そこで、その日のハガキを部屋へ持ち帰り、ふたたびノートの横に置いて書き起こしてみることにした。
「敬愛なる焼野原様……と。えーっと……わたしがもっともあいする、ぐんじんの、ヒツトラーそうとうについてごぞんじですか、と」
 ぁアッ!? ヒットラーがなんだって? 最後まで読んでみると、そのハガキにはヒットラー総統のすばらしい一途な愛、ヒットラー総統の多大なる帝国建設、自分だけの知るヒットラー総統情報、ヒットラーを愛してやまないの、ハイル! ヒットラー! という熱くてハイパー危険な想いの数々がしたためられていた。
 投函する場所をまちがっている……
 ていうかこのおじさん、いつのハガキからこの路線に変更してたんだろう。ちくしょう、もっと早くから読んで経過を見ておけばよかった。
 さらに翌日の朝に投げ込まれたのは、たしかこんな内容だった。
「敬愛なる 焼野原様 昨晩は取り乱したものを送りました、ごめんなさい。ところで、マッカーサー元帥はご存知でしょうか。元帥は素晴らしい軍人であります。私は元帥のようになりたい。ここだけの情報ですが、元帥は油絵が趣味だったといいます」
 ……しらねぇよ!しかもぜんぜん前日の反省してねえじゃねぇかよう!
 
 このつづきは後日



++2004/10/06(水)  頭痛DEATH!
 なんかいろいろ考えることがあって友達に相談し、自分の抱える問題をキュルキュルーッと根元まで巻き戻してもらった。わたくしったらすぐ迷える子羊になっちゃうの。子羊ならまだいいけど、そのまま助走つけてブランコに乗って「ペーターー!」と叫びながらッドーン! と谷底へふっ飛んでいっちゃうの。おし〜えて〜おじい〜さん〜♪
 丑三つ時からお風呂に入って頭を整理整頓していたら、発熱した。寝よう。根を詰めてもアカンときはアカン。



++2004/10/05(火)  ヒットラーハガキはもういらない その1
 ライブドア株価下がってるよ・・・売名作戦失敗じゃん。まあ、あとはいかにうまく楽天の財界作戦に勝てなかった潔白の勇者のフリして「自社の経営に専念してあいつらを見返してやります」という好印象をつけるかってとこかい。
 
 その昔、私はごく普通のアルバイトをしていた。朝のすがすがしい空気の中、ニコニコとハンバーガーを売る。毎日学校へも行かずに、朝から晩まで労働基準法すれすれの働き方をしていた。
 そのバイト先には毎日必ず朝、昼、夜の3回アイスコーヒーを飲みに来る60歳ぐらいの男性客がいた。脳梗塞で半身が麻痺したままらしく、片足が不自由で言葉も少し聞き取りづらい人だった。いつも決まってカウンターに100円玉を2枚置くので、何も聞かずにアイスコーヒーとお釣の11円を手渡していた。しかしある冬、そのお店が閉店することになった。私は少し前から掛け持ちしていたキャバクラ嬢をやるようになり、もうハンバーガー屋のあった場所に近づくこともなくなった。
 ある日の深夜3時頃、仕事が終わって送りの運転手におつかれ! と手をふり、マンションの1階にある集合ポストで必要な郵便物とポスティングチラシを仕分けしていた。すると、一枚のハガキが目に止まった。ミミズの這ったような字で何かたくさん書いてあるが読み取れない。表を見ると切手は貼られておらず、消印もなかった。誰かがいたずらでうちのポストに突っ込んだのだと思って、捨てた。
 しかし、次の日も次の日も、私が帰宅するとまた同じ人物からと思われるハガキがポストにあった。出勤が夜7時、そこから丑三つ時までの間に誰かが私の部屋番号を選んで投函しているのだ。10日以上続き、さすがに気味が悪くなったが、私は何かしらのメッセージ性を感じてその日のハガキを捨てずに部屋へ持ち帰り、ノートの横に置いて自分で書き起こしながら内容を推察することにした。すると、そこにはこんなことが書かれてあった。
「敬愛なる 焼野原様 あなたは今どこでアイスコーヒーを売っているのですか。ぼくはあなたに会いたくて仕方がありません。毎日3回、あなたに頂いたアイスコーヒーを飲んで、元気になりました」
 すぐに、あの足の不自由な男性だとわかった。しかし、どうして私の住んでいる場所がわかったんだろう・・・。あとをつけてくるにしても、ハンバーガー屋のあった場所から私のマンションまでは約5キロ。あの男性が自転車通勤の私を追って来られるとは到底考えられない。仮に私がマンションへ入っていくのを目撃したとしても、ここは外からはマンション内が一切見えない完全オートロック式。全30戸の中からきちんと私の部屋番号を選ぶのは不可能だ。住所を文字情報として知っているのだとしか思えない。
 ハガキの文面だけなら非常に「いい話」だ。しかし私はその頃ある男につきまとわれ、警察沙汰になってようやく収束するという別件のストーカー事件を解決したばかりだった。同時多発テロ!? 戸締りを確認し、チェーンをかけて、その日は寝た。
 
※思い出し日記のつもりが長くなったので続きはまた明日



++2004/10/04(月)  あくむ
 変な夢を見てうなされた。一度、ナポリ君に肉球で顔をぺちぺち叩かれて目を開けたのは覚えているが、そのあともう一度寝なおしても同じ夢の続きだった。
 いつもと同じように部屋で仕事をしていると、突然ポストに新聞が投げ込まれてた(うちは新聞とっていない)。ドアを開けて外を見回すが人影は見当たらない。私は新聞を手にとり何気なく一面を開いた。すると、トップに大きな見出しがある。
「新宿2ピカリ い○スグ逃路」
 なんやこれ、誤植か? しかも見出し以外はすっかすか、肝心な記事がくっついていない。頭をひねっていると、携帯電話が鳴った。電話の主は名を名乗らず、早口でいきなりこう言った。
「見たでしょう。だったら急いで逃げて下さい。もしくは地下へ」
「なんですか。意味がわからないんですけど」
「新宿にピカリ、いますぐにげろ」
 ガチャッ、プーッ、プーッ・・・
 その瞬間、南側の窓(新宿副都心側)のカーテンの隙間からピカーッとものすごい閃光が入ってきた。ついでゴゴゴゴゴゴ!! という地鳴りと大きな揺れ。私はなんだかよくわからなかったけど、とにかく都庁に原爆が落ちたんだと思った。駆け寄ってきたナポリ君ともみじさんを抱き上げ、玄関から外へ出る。すると、目の前に地下へ続く階段があった。迷わず降りていくと突然目の前がひらけて地下基地のような場所に出た。
「よかった。2年間かかりますが、ここで少し生活して下さいね」
 電話の声と思われるスーツの男の人がいて、スニッカーズと煮干をくれた。
 しかし、私の背後から2度目のピカーッ!! スニッカーズが沸騰し、煮干が灰になっていく。ああ、世界が赤い・・・
 
 ――んブハァッ!
 目を開けると、ナポリ君がベッドの横のカーテンに爪を引っ掛けて窓の外を眺めていた。私がなかなか起きないので、日課の「大久保通り見物」をするために自分でカーテンを開けたらしい。顔に光があたってまぶしい。そしてもみじさんは「朝の運動や」と言わんばかりに足元でスピンしまくって地鳴りを起こしていた。
 ・・・・・・なーんだ、よかった。



++2004/10/02(土)  3センチ伸びて3センチ縮む
もみじさん・・・ 可能な限りイチローに近い男と結婚したい。
 今日は計測デー。デジタル体重計を買ったので、まず(自分+抱っこした猫)-(自分)を計算してみた。
 ナポリ君5.4キロで理想体型、もみじさん5.2キロで1キロオーバー。おかしい。この2ヶ月おやつを禁止してダイエットフードで頑張ったのに、なぜもみじさんだけが太るんだろう。腹の出っ張りもさることながら、最近脇の下にも贅肉がブラブラしはじめてるし。体質の違いかなあ……
 次に友達に手伝ってもらって4年ぶりに自分の身長を測る。なんと3センチも伸びて155.5センチになっていた。すげえ、私ったら俄然スクスク発育中だったのねえ。もうチビだなんて言わせない〜。嬉しくなってバストも測ったら、こっちは3センチ縮んでいて非常に気分を害する記録となった。どーせ私のブラジャーは左右1パックづつシラスが詰め込めるぐらいスカスカですよ!
 夜、友達と新宿のライブハウス「ケントス」へ遊びに行く。70年代オールディーズ、かつて「カンチとリカ」だった人達に混じってわいわい踊った。みんなさすがだね、曲ごとに違うステップで踊りまくるんだもん。負けじと「わ〜いえむしえぇ〜!」とかやっていたら思ッくそ股関節ひねった。しかも足をいろいろ動かしてみた結果、正常位のポーズが一番痛いということがわかる。ああ、私からどんどん色気要素が抜けていくわあ!
 にしてもロックンロールとオールディーズの違いって何なの、と友達に聞いてみたら「知ってる曲ばかりかどうかの違いじゃない?」と言われた。え、そうなの?



++2004/10/01(金)  月初め、「横チン」と「再会」の一日
 日記スペースを巨大化した。いつも月末には細長くなって表示が重くなってしまうからと考えた結果なんだけど、アンタ、字を大きくしたら結局一緒やん。
 今日は明け方まで仕事していたので「笑っていいとも」まで激睡。んブハァッ!と目覚めて慌てて化粧し、マッハで電車に飛び乗る。1時半に原宿で待ち合わせ、ラフォーレミュージアムにて「男子はだまってなさいよ!バカワールドカップ」を観る。私のお目当ては荒川良々さんだったけど、やっぱ一番おもしろかった。あの人天才なんでないの?っちゅーか!某役者さんがパンツを脱ごうとして周りに阻止される場面で、やりすぎてほんとにポコチン出ちゃったよ。しかもしばらく横チン状態でウゲェ・・・まあ、色も大きさも平均的だったね。
 終了後、芝居と連動した五月女ケイ子展を観に行く。会場へ上がるエレベーターの中で、五月女展以上に大きく目立つポスターが貼ってあり、ふと目を奪われた。「あれ?どっかで見たことある絵だなあ」なんて思いながらよく読んでみると・・・なんと、2年前から音信不通になっていた知り合いの女の子の個展案内だったのだ。うわあ!すごい!なんて偶然!五月女展もそこそこに隣のスペースへ行くと、やっぱり!声をかけると彼女もかなりビックリした様子で、思わず手を取り合ってジャンプする感激ショーに。
 彼女は3年前、あるきっかけで出会った6つ年下の絵描きの女の子。手製の絵の冊子を持って「わたし絶対に絵本を出版したいんです!どうしたらいいと思いますかっ!?」なんて私にはキャパ超えの相談を持ちかけてきて、そのパワーに押されて何とか力になってあげようとポストカードやペイントTシャツの販売を手伝った(何の役にも立ってなかったけど)。それから2年たち、見事絵本の出版に伴い原宿で個展を開くことになったのだとか。
 展示スペースに並ぶ立派に製本された絵本を見て、ああ彼女もあれからひとつ夢を叶えたんだなあ、なんて感慨に浸る。と同時に私も負けてられないな、とライバル視してしまっている子供な自分も発見。さあ、ケツまくって行きまっせ〜!
 
追伸:五月女ケイ子さんのイラスト満載「死にたい2」はこちら。焼野原も本の趣旨を無視したネタをごっそり寄せておりますので、ぜひに・・・・・・!

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