2004/11/29(月)  殺される〜殺される〜
 なんてったってオマタが血まみれ! 鼻の下にもデキモノが。
 新居の契約日になってしまい、荷物の運び入れはまだまだ先になるものの、そろそろ本気で猫の移動シュミレーションをやらねばと焦る。引越し屋さんってお客さんを乗せて新居には移動できないのね。それならケージに入れるから猫だけ乗せて連れていってくんないかと聞いてみたら、
「いいけど、猫ちゃんゲロゲロに酔うと思いますよ」
 といわれたので、やめることにした。だいたい私以外の人間が留守番をしているだけで、「殺される〜殺される〜」と私を呼んで鳴きつづけてたらしい猫たちだ、知らない人に自分たちだけ車で運び去られるなんてショックで死んじまうかもしれん。
 ちゅうことは、やっぱり公共交通機関で自力で運ぶしかないか。免許はあるんだけど、どうやれば車が走るのかおぼえてないしなあ。まずは車の前後に子供がいないか確かめるんだっけ?
 猫の体重をはかってみた。
 ナポリ君5.4キロ。もみじさん5.3キロ。もみじさんがまた太っているのはこの際問わないことにしても、やっぱり11キロか。これをかついで、山手線⇒田園都市線。ぐええ…… 連れてきたときはハンドバッグに入るようなチビッコだったのに、たくましく育ってくれてありがとう。左は、痩せていたころのもみじさん。おしとやかなり。




2004/11/27(土)  人生を足し算で乗り切ろうとして失敗する女
 美輪明宏ってほんとすさまじく優秀なDNAの集合体としか思えないよねえ〜というはなしをしていたら、偶然にも江戸川乱歩&美輪明宏というとりあわせの番組がはじまった。神々しいかぎりである。さっそく友達と約束した。「よし。いいか、『黒蜥蜴』観にいくぞ!」
 引き続き部屋の片づけ。
 仕事の締め切りも相当せまっててパソコンに向かうだけで焦っているのだけど、うまい具合に進まないので気分転換に物を捨てる。いろいろな物を捨てたが、そのなかでも一番気持ち良く捨てられたのは過去の仕事で集めた名刺だ。よく集めたもんだ、数百枚あったのでいまでも連絡をとっている人だけ取り置いて全部捨てた。(そもそも連絡をとっているなら名刺は必要ない)……にしても、捨ててみて、気持ちよかったああ! 厄が落ちた気分だああ!
 仕事をはじめてからしばらくのあいだ、とにかく「営業・営業・営業」と自分には到底能力があるとは思えないことを無理してやっていた。もちろん私の名刺なんかを必要とする人は皆無だったし、逆にこちらからつながりも作っていくこともできなかった。向いてなかった。だけど、そのときはこの名刺の束が自分の成果なんだとかん違いしていたのだ。集めることが目的で、ただ自分のちっぽけな足跡をふりかえるためのコレクションでしかないということに、私はまったく気がつかなかった。
 思えば自分は、人生を足し算で乗り切ろうとして失敗する女だ。
 名刺が増えれば、それだけで自分は偉くなると思った。
 まわりに人があつまれば、大きなことになる気がした。
 足し算に足し算して数を増やしていくことが、自分がステップアップしていく方法だと思っていた。
 だけど、自分は自分が思っているほど集めたものからなにかを吸収していく能力がなくて、結局いつも座標のまんなか「ゼロ」の位置にしかいなかった。なーのーにー、よけいなものを足しすぎて自分のではない足もとを見て「これが自分のいまの足もとだ!」なんて思い込んでいい気になっていたから失敗したし、それによって何度も強制的に「ゼロ=ふりだし」に戻されることにもなった。本当に必要なものだけを見つけ出して、残りは自分から引き算する、捨てる、という自信がなかったわけだ。……はっ、荷物の整理によって思い出に浸る、というありがちなパターンに陥ってしまっているじゃないか、はずかしい。
 つうか、
 だからか! こんなに物が多いのは!
 だいたい、家にストローが1000本もあるなんて、変態としか思えん。ストローだけでない。割り箸もだ。「おてもと」だっつーのに、とてもおてもとに置けるような量じゃない。布団も1人だっつーのに、いや、男がいても2人だっつーのに、3組もある。おかしいって。



2004/11/25(木)  ストロー天国
 家ごとぜんぶリサイクルできんもんか。私も一緒に。
 引越しの日取りが決まり、すこしづつ準備を……と思いあれやこれやと不要品を出していったら、なんと昨日・今日だけで段ボール8箱分である。しかも、すでに処分したのが8箱であって、まだ玄関先に6箱分の不要品が置いてあるのである。私はこの数年間、何と一緒に生活していたんだろう……ごみ? いやいや、きのうまでは「必要なもの」だと思ってたんだよ全部。
 可燃・不燃ゴミとして出せる小物のほか、3年前の雑誌、6年前のキーボード、何かよくわからない板、これまたよくわからない板、板、板、板、なんでこんなに板があんねん、爆発した電池、扇風機の羽根、本体どこいった、タウンページ、タウンページ、タウンページ、ハローページ、3代まえの携帯電話、うちの電話のじゃない子機、なぜだ、クリスマス電飾、歯ブラシ立て、これまた歯ブラシ立て、歯ブラシ立て、歯ブラシ立て、何重生活する気だったんだ、ガムテープがくっついて切れなくなったハサミ、同じくのハサミ、同じくのハサミ、おまえは学習できんのか、書けないボールペン、同じくサインペン、刃のないカッター、それはカッターではない、割れた食器、捨てろよ、酒ビン、酒ビン、酒ビン、酒ビン……が全部で14本、ここはバーか、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー、ストロー1000本前後、おまえはマクドナルドかああああ!
 ……だめだ、今日はもうやめる。
 つうかこれだけの不要品を処分することによって、引越し屋に申請した荷物の量から半分くらいに減っとるやないか! これじゃ損するよ? どないやねん。



2004/11/23(火)  区役所に印鑑証明をとりにいったら祝日だった
 引越しが決まってからというもの、すっかりうかれている。
 こりゃあぶないよ? 年末にうかれてると、あっさりひき逃げされて自縛霊になるから。
 ていうか、仕事の締め切りが刻々とせまっているのに、まったく焦ってこない。魂だけが先に横浜へ行ってしまっているのだ。引越し先の間取り図と、神奈川TVKの「水曜どうでしょう」放送予定日ばかりを見て、にやにやしている。おおい、帰ってこおおい!
 仕事も立てこんでるけど、引越しセンターの選定やら受注の制限やら雑多の手続きやらいろいろやらなきゃならん。しかもうち、アホみたいに会社登記してるから、ただ引っ越すだけで税務署にいろいろ申請しなきゃならんうえに、なんと6万円もとられるのだ。めんどくせええ! いっそのこと休眠させたい。でもだめね、まだ借金残してるから。
 あ〜あ。
 最近は最低資本金縛りのない「確認会社」というやつがはやっているから、私なんかよりもっと気軽にフリーターからの脱却をはかろうと会社設立を企てる若者や学生がたくさんいると思う。
 有限なら5年以内に300万の資本金を充当しなければならないらしいけど、それぐらい、
 1.それなりに見える事業計画書をネットで調べて作って
 2.買いもしないパソコンや高額備品の見積書を取寄せて
 3.スーツ着て髪整えて
 4.最寄の公庫へ行って
 5.しっかりお辞儀して
 6.すぐバレる嘘さえつかなければ
 これだけで貸してもらえるわけだ。嘘だと思ったらやってごらん、ほんとにそんなくだらない小手先で国は低・定金利の金を貸してくれるんだ。生き証人がここにいる。
 でも、登記その前に。ちょっと考えてちょうだいよ。
 
 一、会社ができれば社会人になるってもんじゃないのよ。
 一、名刺をくばれば人に知られるってもんじゃないのよ。
 一、肩書きなんて、能書きと一緒で人の役に立つことが社会的に証明されるまでは「バカ」のレッテルと同じなのよ。
 
 笑われるだろうけど、人間、頭に血がのぼったら何をやらかすかわかりませんよ。血のたぎりが自分の可能性だとかん違いしてしまって、こんな簡単なことすらわからなくなるわけだから。 
 あ〜あ。私ったら、なんてったって、バカだからなああ。長い道のりだったなああ。醜態さらしたなああ。SM嬢やったなああ。愛のソレアだったなああ。恋人去ったなああ。若気のいたりだったなああ。しかもいまだに社会人になれてないなああ。国民年金払ってないなああ。NHKも払ってないなああ。一番金かけてるのが猫用品ってやばいなああ。
 でもって、最終的にはこの仕事スタイルは「自分好き系」の自分にはとても不向きだという結論がくだり、ここしばらくは経理業務以外に会社を使わないようにして仕事をやっている。くわっ、相当わかりやすい「完全なる負け組」じゃないか。いやいや、今年で大殺界も終わることだし、そろそろトリさんのようにパタパタと遠慮がちに再起をかけますともよ。
 あ、そうそう、追加しとこ。
 
 一、チャンスなんて、さがす気持ちがありゃどこにでもころがってんのよ。
 一、だけどそのチャンスに対する適性がなければ、本物にはなれないのよ。
 
 これ大事。人さし指立てていいますよ。「適性」たって、向いてるか向いてないか、それだけのことだ。向いてりゃ考えなくても勝手にからだが動いて能力があがってく。ような気がする。たぶんね。知らないけど。無責任だし。でも、子供ってそうじゃん。子供と一緒にすんなって? それもそうだな。すまんこごをめんこ。
 学生さんたち、すばらしいベンチャーをたちあげて、どうぞ私を雇ってください。正社員で。月収40万円〜、交通費全額支給、社会保険完備、家族手当・住宅手当、週休2日制(土・日)、祝祭日、年末年始休暇、有給休暇、実働8時間フレックスタイム、昇1、賞2……あたりでどうかひとつよしなに。



2004/11/20(土)  バイバイトーキョー、ハローヨコハマ
 新居決定の巻き。
 さらば新宿! さらば東京! ついでにさらばJR! 
 つうわけで来月から横浜市民になります。イエーヨコハマ、田園都市線。
 苦節4年。ああ、やっとこさこの怪奇現象の起きる、つうか怖がりの彼氏が一緒に住んでいたので黙っていたが、もうひとり住んでて始終スリッパで歩いている、つうか風呂場にさらにもうひとり住んでて始終おしろいのにおいがする……という気がしてならないうえに、唯一の窓をあけると新宿の排気ガスがどんわり入りこんできて、窓を閉めてもテレビの音量を25ぐらいにしないとよく聞こえない部屋から解放されるよ。
 なんでこんなところに住んでるんだろう、私。あらためまして。
 
 不動産屋の兄ちゃんに猫のはなしをしたら、偶然その兄ちゃんも猫を飼っていて、全ての猫オーナーがそうするように、頼んでもいないのに「見ます?」といってケータイの待ち受け画面をつきつけられた。3秒の差があれば私が先に見せるところだったが、見せてもらった猫ちゃんがやたら高級なうえ「いま3ヶ月でチョ〜かわいいんっすよおお!」と自慢されまくったので、めんどくさくなって自慢しかえすのはやめといた。ま、どこからどう見てもうちの2匹のほうがかわいかったけどね。
 
「南向きで日当たりがいいですからね。猫ちゃんの日向ぼっこに最適ですよ」
 
「押入れは3段になってますからね。やっぱり猫ちゃんの探検に最適ですよ」
 
「ここにキャットタワーたてられたらいかがですか? お外が見渡せて猫ちゃんもよろこぶと思いますよ」
 
 あんたよお、金払って契約すんのは私なんだぞ!
 帰宅後、玄関先までむかえにきたもみじさんに
「横浜でねえ、広くて日向ぼっこのできる物件があってねえ、押入れも3段になっててねえ、キャットタワーもいまよりもっとお外が見渡せる場所に立てられる部屋だったからねえ、さっそく申し込みしてきたよお〜。来月になったら一緒に引っ越そうね」
 ちゃっかり決め手は猫ベースなのであった。
「あっそ。いいからはやくご飯にして」
 くるっとむけられた背中が、つれないつれない、つれないよ。



2004/11/18(木)  ナマでみちゃった
 ままま松田りりり龍平、チョ〜かっくいいんだけど!?
 ナマ松田龍平を見ちゃったよ! 池袋で! 至近距離で! ああ、どういうこと、本気で否のうちどころのない美少年よ? スクリーンから出ても断然光ってるやないかあ。背高いし、声太いし、足長いし、色白だし、一瞬結核に見えるし、しゃべったり笑ったりするとまだまだ青い春なんだな〜ってほっこりするし! こんな男子が日本にいるのか。やばいで。国宝だ。多分ね、こういうカンペキな見栄えの男子を身のまわりに置いたら、もうそれだけで、きっととてつもなく悪いことをしてる気分になるんだろうなあと思ったよ。
 というほど、なんやらかんやら忙しくなって切羽詰まったあまり、まちがえてミーハー根性にエンジンをかけてしまった私なのであった。あああ、こんなことしてる場合じゃないのに。
 やばいで。仕事も急いてきたし、引越しも近づいてるし、ちゅうか決めてた物件ひとあし先にとられちゃってまた一から探しなおしだし。やばいで。でも、松田龍平の美しさのほうが、ずっとやばいで。あああ、仕事しよう。



2004/11/17(水)  痴漢・暴漢・要注意! 男子もね。
 朝6時起床、ぱちぱちと仕事する。午後、買いっぱなしだった岩井志麻子「ぼっけえ、きょうてえ」を読んで、ひええ! とても、怖い。でも、ぼっけえおもしれえ。夕方、友達と三軒茶屋へ。
 キャロットタワーの地下2階に車をとめてエレベーターに駆け込んだら、いきなり松尾スズキさんとばったりしてぎゃふん。動揺して心臓の位置がすこし下がった。1Fで降りてゆかれた松尾さんの背中を見送って、そのまま自分たちの降りるタイミングを失ってしまい、意味もわからず上まで行ってエスカレーターで1Fまで戻ってくる途中、友達がわけのわからないことをいいだした。
「私、こういう役者出会い運がつよくて、13年前も古田新太がエレベーターガールをやってるのに遭遇した!」
 ジュウサンネン、て。あんたそれ、運がつよいっていわないよ! 動揺したのはてっきり私だけだと思っていたのに、それ以上に色めき立っていた彼女なのであった。素敵である。
 茶しばきで時間をつぶし、大人計画「イケニエの人」観劇。クドカンの女装姿があまりにかわいくてこれまたぎゃふん。おもしろかった。が、途中からお話がむずかしくなってきて、咀嚼できないパニックに。「ん? ん?」と考えているうちに、バツンと終わってしまってうなだれ。自分の頭のよわさにガックシである。
 その後ジョナサンで飯食って、いままでに挑戦したオナニーのやり方について話しあう。学生のころ半熟タマゴで乳首すりすりしてみたら全然よくない上に、つぶれた白身が排水溝につまって後日硫黄臭が発生したという思い出を語ってみたら、大ばか扱いをされた。当然の評価である。
 その後どういうわけだか深夜の横浜ドライブ突入。なんの助手にもならないのに助手席にすわり、読めない地図を見て運転手が困惑するような道案内ばかりをしていたら、「痴漢・暴漢・要注意!」という立て看板ばかりが目につく薄暗闇へと引きずり込まれてしまい
「もういい! あんたはまるで役に立たねえ! おまわりに聞いてくる!」
 警察署へいくことに。すいません……。
 そして横浜のなかでも地味〜で暗〜い心霊スポットのような地区を見学し、246で都内までもどってくる途中、私のつぎの恋のお相手についての現実的かつ悪の作戦会議がひらかれた。
 ええ、お相手は都内在住6歳年下の青年ですとも。この年になると同年代以上のいい男はだいたい縁組されており必然的に不倫かSMになってしまう、いや必ずしもSMにはならんが、とにかくそれ以外で私の周りにいる同年代はフリーターを楽しむような骨なしばっかでそろそろつきあっておれん。ちゅうことは、将来性の見込める年下に焦点をさだめて優秀なDNAを産卵したいというはなしになるわけさ。
 友達からの予言により、3年以内にその青年のDNAを受け取るであろう! ということなので、あしたからさっそく行動開始である。とくとく。



2004/11/16(火)  すきだらけだっていいじゃないだってすきなんだから
 それ相応の通信手段を使っています。それ相応の通信手段を使っています。
 なんだ! その美しい日本語は。あんな取り囲まれて、ぱっとそんな表現出てこないよ? さすが、皇族と結婚する男はちがうな。
 
 美容院にいこうとしてそれ相応の通信手段を使ったが、予約とれず。
 帽子をかぶらなければヒトマエに出られないほどの状態になっているにも関わらず、いつもお願いしている美容師さんがしばらくおやすみなのだ。じゃあ、ほかの人にしてもらえばいいんだけど、3年も同じ人にしてもらってるとバツが悪いじゃない……って、なんで客のくせにそんな気づかいをしてしまうのかというと、すべてはその美容師さんがかっこいいお兄さんだからである。ぐは。おかげでこの3年間、カット6300円、カラー12600円という高い料金設定にもなんの疑問ももたず素直にニコニコ払いつづけている。書いている現在もなんの疑問ももっていない。
 イヤッ、これは私のオシャレへのこだわりなんだよ! ハイセンス、ハイリスク! と、いうことに是が非でもしておきたいがために、しばらくは帽子を必需品として我慢することに決めた見栄はりな私であった。(実際、本当に素敵な髪型にしてくれるすばらしいお店である)
 と、ここまできて ハタァッ! と気づいた。母親の
 
「歌舞伎町の『ニュー愛』の和志って子、いてるやん? あの子ナンバーワンなんやてなあ。もう、大好き。一晩お願いしたいわあ」
 
「やっぱヴィトンはええわ! 高いけど丈夫やし、永久保障やん? 持ってるだけで気分がぱあっと華やかになんねん」
 
「職場用に、お皿洗い用のレースの手袋っちゅうのを買ったんや。なんか、皇族って感じがするかなあと思って」
 
 などの数々のセリフ、私はいつもバカにして笑っていたがどうも10年後、自分もまったく同じことをいっているような気がする。くうう、うちは想像以上に隙だらけの家系のようだ。しかし、母よ、皇族はたぶんそれ相応の使用人を使っていますので皿洗わないよ。



2004/11/14(日)  なすびかのちじょうえ
 朝起きて仕事して郵便局行って買い物。
 黒のスウェットとニットキャップを買おうと思って出かけたのに、帰ってきたら黒のニットとタンクトップ、ロンT、スカジャン。「黒」と「ニット」しかあってないじゃないか! そんなもんさ。私は衝動買いの女。いかしたお店を見つけてしまい、すてきな店員のお兄さんと話し込むこと1時間……の末の買い物であることは見ないふりをする。
 午後すこし仮眠をとり、夜、ペルー人のダニエィルがやってくる。オウ、ダニエーィル! セニョリィータ! おみやげに、ずいぶんよさそうな洋酒をいただく。さすがペルー、ナスカの地上絵のように寛大!
 ……ていうか、2月に別れた彼氏の友達である。なにをしにきたんだ、こいつは。
 私は、恋愛人物相関図というものにおいて、別れた男の筋にあたる男友達とはバッサリ縁を切るのが妥当であるという学習をしている。なぜなら、切った筋からは「それ相応の」男しか出てこないばかりか、そのような筋のなかでは「あいつの元カノ」という肩書きはかならず潜在的な敵とみなされ、いいことなんてまるでないからだ。(そうでない場合も、もちろんあるんだよ)
 ということで、まったくの音信不通を決めこんでいたにもかかわらず、とつぜん来訪したダニエィルの動向が不思議でならなかった。しかしどうやら、私が持っている缶バッジの機械が使いたかっただけの様子。無邪気に自分の音楽ユニットのバッジを作り「コレ、800円デ売レマスカネェ?」と首をかしげている。売れるよ、売れる。でもちょっと高いよね、200円ぐらいだね、とやさしい日本語でアドバイスしておいた。缶バッジの材料費として4000円もらう。もうかった!
 その後近所の韓国焼肉店にいき、30センチの特大骨つきカルビというのをすすめる。大いに盛り上がる。元彼がいまなにをしているのか非常に気になったが、当のダニエィルはまったくの疎遠になっているらしく何の情報も得られず。役にたたんやつめ! しきりに「貧乏、金ナイ」といっていたので途中までおごってあげようと思っていたが、レジのまえで財布をのぞいたらちゃんと札が入っていたので、キッパリ割り勘の4000円づつにした。まあ、つまりは差引きほぼタダで焼肉が食えて、おつりに洋酒がついてきたという日であった。ちゃんちゃん。



2004/11/13(土)  そんな土曜日
 コトーォォォォ!
 Dr.コトースペシャル。きのうの前編を見ていないのにも関わらず、きょうの後編だけを見てザザ泣きする始末である。おかげで、すすっていたラーメンが、鼻水をすすっているうちにのびてしもたやないの。いやあ、最近「大奥」とか「黒革の手帖」とかあさましいドラマが多いけどねえ、やっぱこれだよ、これ。ザザザ……
 朝9時ごろ「土曜日だし……」と意味のない理由で二度寝していたら、部屋に中村獅童が乱入してきて「いますぐお父さんに会わせるから!」と引っぱり起こされた。え? なに? 意味がわかんないよ、どうしたの中村……といいながら必死でついていき、マンションの階段をのぼって屋上にあがる。すると、世界が一面、クリームシチューになっていた。都庁も歌舞伎町も、ビルの10階あたりまでがシチューに沈んでいる。ところどころに豪華客船ぐらいの大きさのあるニンジンやジャガイモのかけらが突き出していて、マンション一棟分もあるような巨大クルトンがそこらじゅうに浮いている。しかもうまそうである。
「ああ、世界がクリームシチューに」
「あそこにお父さんがいるから、手をふって!」
 と中村にいわれて池袋の方向を見ると、これまた直径が5キロぐらいありそうな超巨大マグカップが浮いていて、そのふちの部分にちっこいおっさんが立って手をふっていた。大木でシチューをかきまわしながら、こう叫んでいる。
「労働者が日本の基盤ですぞおおおお」
「ねえ、中村。あれが中村のお父さんなの?」
「うん。やっぱりぼくにとっては歌舞伎が一番大切です」
 ……!?
 
 ふと目を開いた。つけっぱなしになっていたテレビで、上沼恵美子がにこにこしながらしゃべっていた。本日の「いつでも笑みを」のスペシャルゲストは、中村獅童だったのであった。



2004/11/11(木)  そんな日もあら〜な、わるいか!
 ひいいいえええええ!
 現在、一面の焼け野原に来ております。焼け跡に元気よく生えてきた雑草ですら、バーナーで焼き飛ばしました。いえ、そんなの雑草だから焼け飛んだというだけのはなしなんですが。
 最近、子供時代からの私のテーマ「がんばりすぎる不器用さをなんとかする」ために、とりあえず心のなかのこだわりというこだわりを焼きつくす運動を展開していたわけなんだけども、そのまえにだ、オマエとりあえず焼けあがった大地にきちんと立てよ、ということなんでござあす。
 あああ、私はバッカで〜す!
 ようやく、「強がり」と「強さ」のちがいを体感できた日なのでありました。皿のうえにもりもりと鼻水まみれのティッシュを盛り付けていく私を、とくとくと説教してくれた友に感謝なのであります。私はその友達とはやく結婚したいとたくらんでいるのですが、女性どうしの婚姻はなかなかむずかしい手続きであるようです。



2004/11/10(水)  かたらったらかたったからたったた
 午前4時まで友とかたらったらかたったか語らったのち就寝しようとしたが、どうも寝付けないのでMAYAMAXXの画集をひっぱりだしてながめる。
「MORNING STAR」という象さんの絵が大好きだ。ポスターになってないかなあ……と探したこともあるけれど、そうやって安易に手に入れてしまうと満足して「別にどうでもよく」なってしまうのがオチなので、やっぱそれはナシだな。ということを生まれてはじめて考えたほど、自分にとってはワケありの出会い方をした。というわけで、すっかりマイムードバリバリ趣味の時間を満喫しまくりやさしい気持ちになったので眠りにつく。そしてナポリくんに乳もまれる。
 11時起床、瞳しぱしぱ状態でいそぎ化粧して秋葉原へむかう。2年ぶり? 秋葉原の地に降り立ったのは。なんか駅全体が新品のゴムパッキンくさいんだけど、なんなんだろう。改札出たら、レゲエのオヤジがのんびり陽だまりにあつまって弁当食ってるし。なんなんだろう。店の軒先には、「もってけ泥棒」といわんばかりにCD-Rが積み置かれているし。なんなんだろう。おなじ雑踏だけど新宿とはちがう無防備さ、不思議なところだ。
 とか思っていたらいきなり方向感覚をうしなう。目的地はワシントンホテル、地図上では昭和口を出てすぐの場所にあるっちゅうのに見つからん……やっぱこの街は電磁波で侵されているんだな。なんてことを考えていたら、待ち合わせ相手の携帯に電磁波除去装置みたいなものが貼り付けられていたので、ウケた。やはり個人レベルではそれなりの危機管理が行われているようである。
 打ち合わせ後、いそぎ渋谷へ。だいぶ出遅れたもののようやっと映画「恋の門」を観る。CMの時点では「門が松田龍平? イメージちが〜ううん!」と思ってはいたが、はじまってみたら一から十までぜんぶおもしろく、どのシーンが一番おもしろかったかという抽出すらできないほど笑いまくって終了。漫画とはまったくちがう、もうひとつの楽しみ方ができるというおいしい映画。
 帰ってぽつぽつ。さて仕事すっか、今月はまた机にむかう日々多し。最近ひざが弱ってきた。なぜなら椅子のうえに正座するからだ。



2004/11/09(火)  寝ねこ3連発
 もみじさんが寝ていた。

 
 とてもすやすや寝ていた。 

 
 ……!!

 
 もうちょっと警戒心もとうよ!
 
 おまけ

 私の左乳をもむナポリくん。



2004/11/08(月)  249円のプリングルス1本より、9円のうまい棒20本をえらんだ日
 気づいたらこのサイト1年もやっていた。
 なんてええはああずううかああしいい!
 でもね、たとえ間違ったことを信じている自分の姿がどこかに残っていたとしても、間違いの裏側には必ず悩みや喜びをかかえて七転八倒している心があるわけだ。だったら愛しい。なにもコンプレックス化することはないわけさ。さようなら、カンペキ主義。
 ……にしても、ほんと、よくまあ私って無意味に自分をアピールしつづけられるよな。この原動力を新しい未来のエコ資源にかえられないかね。そしたら大金持ちよ? アピール動力王よ?
 
 引越し先の物件をちらちらと。
 今回はなにを思ったか3LDKを紹介してもらっている。きっと掃除しきれないうえに、ここぞとばかり家具を買いそろえて次々回の引越しあたりでこまって泣くんだろう。でもいいんだ、いっぺんぐらいひとりで3部屋独占させろ! それくらい長くひとり暮ししてんだからよお、猫だって2匹いるんだしよお、なにより家が仕事場なんだしよお。
 当然だが、新宿区から脱出である。わーい。これで都庁にテロ機がつっこんでも私だけは無事! とかいいつつ、予算の都合上そうせざるを得ない都落ち感を禁じえない私なのであった。



2004/11/06(土)  だってしょうがないじゃないマゾなんだから
 夜中にとつぜん、ひとのノロケ話を聞かされるきょうこのごろ。愛はすばらしいね、聞いていると自分のなかに「うんうん、きみが幸せでよかったよ」という精神がうまれるんですもの。
 最近の私は心が弱っていた。
 あまりに弱ったので、どうせならと「自分の醜い部分・弱い部分」について、ここ2週間ほどこんこんと考えていた。出るわ出るわ。はずかしいほど醜くて弱い自分。なによりも恐ろしいと思ったのは、そんな醜さ・弱さを否定することで「だから強い」と思い込む安堵感を知り、それに慣れきっていた自分に気づいたことだった。ぎょっとして体調までこわれた。
 もちろん、そう思い込むことで実際に強くなった部分もある。自信があればものを言い切れたし、ちがっていれば訂正して受け入れる強さも持てた。
 けれど、精神的にマゾな私にとって「私は強い」という言葉は癌でもあった。マゾはほめられると天狗になって醜態をさらす。そして、念仏のように「強い強い」と思い込むことは、ただやぶりきれない殻の内側で自分を踊らせるだけのことだった。
 というわけで、あえて、なんてバカバカ私のバカと自分の醜くて弱い部分を吐き出してみたところ、なんと、あっさり自信を喪失してしまったではないか。泣きながら友達にとつとつと自分の将来の不安を語る迷惑女になりさがる始末……。
 が、自信喪失しまくった翌日、仕事を放棄してパソコンでぱちぱちと神経衰弱ゲームをやりながら、ふとこう思った。
「そうよ! 私が自信喪失しているのは、ひっくりかえせばすなわち自信を取り戻したいという気持ちなのよ。失ったものをあきらめないなんて、ああ、私ったらなんてすばらしく前向きなのかしら!」
 私はアホほど単純だ。非常によい気分になって元の自分へと昇天したのであった。そして、醜くて弱い自分をこれでもかというほど見直して、結果、あらためてそんな自分を愛せるようになった。とてもくだらない、汚くて苦しい自分だ。けれど、こんなに悩んで大事にしてやっている。私にとっては、この自分への愛が一番「強い」部分だった。



2004/11/02(火)  とうほくらくてんごおるでんいいぐるす
 ほんとに東北楽天ゴールデンイーグルスで登録決定なの?
 ライブドアのことじゃなくて、名前が長くて非常にださいんだけど、誰かいってあげる人がまわりにいないんだろうか。
 ゴールデンイーグルスという言葉は、もっと広大な空と大地をかまえたアメリカとかカナダみたいな場所で使わないと威力ないような気がするんだけど。日本の茶ノ間で聞くと「部屋の片隅でほこりをかぶっている昔もらったトロフィー」みたいでヤニくさい。と感じるのは、うちのとうちゃんがゴルフの大会でもらったトロフィーをやたら居間の棚に飾ってたからかしらん。
 でも、ライブドア堀江氏最後の金びょうぶ会見を見たけれど、顔に「おれは子供です」って書いてあってちょっとかわいく見えたなあ。ちがうよ!? あんなオタクの成り上がりに好意を持つ趣味はないが、男が「負けてくやしい」という素の顔を見せる瞬間はかわいいじゃんね、というあくまでもの「比喩」で。堀江氏これからもがんばれ〜とは思わん。だってセンス悪いもん。



2004/11/01(月)  愛を、みつけました。
 11月1日。きょう、愛をみつけました。
 コタツを出して敷布団のうえに毛布をかけ、冬物のコートをクリーニングのビニールから取り出す。今年も着られるかなあ、パジャマの上から羽織って鏡の前に立ちました。きれいにしまっていたからでしょう、型くずれも毛玉もなくこの冬もしっかり活躍してくれそうです。
 ポケットに手を入れました。
 すると一枚の紙切れが入っています。取り出すと映画の半券でした。なんの映画かは秘密です。けれど、しわくちゃになった小さなその半券を見て思いました。これが愛でした。
 私はいままで愛はどこにあるんだろうとさがしもとめてきましたが、答えは出ませんでした。答えが出ないから、自分とかけ離れたものに自分を置いて、自分でない目から自分に愛を見つけさせようとしてきました。それはなにものにも侵食されないための鎧を着て、そんな自分を世間に見せるということでした。
 鎧を着るのはたやすいことでしたが、しかし、それを脱ぐのはとてもむずかしいことでした。着ているあいだは孤独ですが、脱いださきにからだをつつむ外気がはたして暖かいのか寒いのか、それがわからなかったからです。いつしか私は鎧を着込んだまま、もう愛をさがすのはやめてしまおうとあきらめていました。
 けれど、さがしものは忘れたころに目のまえに現われるようです。
 こんなポケットのなかにずっといたんですね。
 いまはまだ暖かい部屋のなかでぬくぬくとしているだけですから外の様子はわかりませんが、もし寒風吹きすさぶ冷気にまかれても、きっとこのコートが私の体温をまもってくれるでしょう。
 
 というわけで、今月のテーマは「無私の愛」です。
 意味がわかりません。
 おちゃらけてみましたが、思いのほか本日は感涙がはげしく、うまくオチをつけられそうにありません。ええ、もともと誰からもオチを求められてはいませんが、関西人であるという肩書きにこだわりたい自分がいるわけです。けれどそれも忘れたほうがよさそうです。
 とにかく清らかなので、きょうはこのままおやすみなさい。

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