死ぬのを忘れた彼女

投稿者:えろガッパさん
(31歳会社員・男)

メロ度:★★★★★★★★☆☆
テロ度:★★★★☆☆☆☆☆☆



あれは何の目的もなく、ダラダラと大学生活を送っていた頃です。

眠っていると、突然電話が鳴り響きました。
時計を見ると、夜中の1時を過ぎています。

「こんな時間にいったい誰やねん!」

と思いながら、電話に出てみると、それは当時付き合っていた彼女の友達の友子(仮)さんからでした。
友子さんはポツリと一言、

「もう生きていけない…」

それだけ言うと、電話を切ってしまったんです。
私は「ヤバイ!」と思い、急いで友子さんのアパートに向かいました。
そこで私が見たモノは、ベロンベロンに酔っぱらった友子さんでした。
テーブルの上にはどこから手に入れたのか睡眠薬(小瓶)が置いてあります。

「どうしたんだ!」

私の問い掛けが聞こえていないのか目は虚ろに空を彷徨っています。
とりあえず、友子さんから酒を抜こうと思い、彼女を風呂場まで連れて行くと、冷水シャワーを頭からかぶせたんです。
しばらくして、少し落ち着いてきた友子さんから話しを聞きと、私の予想通り男関係が原因のようでした。

私は友子さんを説得しようと試みたのですが、彼女は「死ぬしかない」と言って聞きません。
正論で説得するのは無理だと感じた私は彼女にこう言ったんです。

「じゃあ、オレが睡眠薬の半分を飲む!」
「もし、オレが死んだら、オマエが残りの半分を飲め!」
「死ななかったら、この睡眠薬じゃ死ねないってことだから、諦めろ!」

あっけにとられている彼女を尻目に、私は側にあったウィスキーを手に取ると、それで睡眠薬を胃の中に流し込みました。
それから10〜15分くらい経ったのでしょうか?
私は意識を失ってしまいました。

 …

意識を回復したのは、夕方でした。
私は死んでいなかったのです(今話しているので当然ですが…)。
友子さんによると、あの後、意識を失った私の喉に指を突っ込んでムリヤリ吐かせたそうです。
そして、ベットまで引きずって来て、寝かせたと言うのです。
さらに、彼女はこう言いました。

「アナタの世話で手一杯で、死ぬのを忘れていた。」
「何か夢中になれるモノを探して、もう一回やり直してみる」

それから、私が起き上がれるようになるまでの3〜4日の間、友子さんは私に付きっきりで世話をしてくれたんです。
(どっちが助けて、どっちが助けられたのか?分かんないよな)

そして…久しぶりに自分のアパートに帰った私を待っていたのは、(付き合っている)彼女の置き手紙でした。それには一言、

「さようなら」

なんと私と友子さんがデキてると思い込んだ彼女からの別れの手紙でした。
彼女と友子さんの共通の友達が、友子さんのベットで眠る私を見たと言うのです。(確かに友子さんのベットで寝ていましたが…)
私はすぐさま弁解しようとしましたが、止めました。
友子さんが死のうとしていたことまで話さなければなりませんから…

結局、そのまま彼女とは別れてしまいました…



素晴らしい。こういう話を待っていた。不幸の中に潜む思いやりと自己犠牲の気持ち。キミにはいつか信州の別荘をプレゼントしたい。この調子で、どんどん自己犠牲と無私の愛を貫いてくれたまえ。


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